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2012年7月24日 (火)

2012版 論文再現答案をお見せします

今年も論文再現答案を公開する。これは、7月1日の弁理士試験論文式筆記試験(必須科目)の本試験において自分が作成した答案を、なるべく忠実に「再現」しようとしたものだ。

本試験では問題文が持って帰れるので、そこに書いたメモと、余白に書いた答案構成と、それらから自分のあいまいな記憶をたどって思い出しながら作成した。

特許庁の公表論点や、予備校の解答や解説をみてしまうと、それらにひきづられて再現率が低下すると考え、それらをみるのを懸命に我慢して、試験の次の週の一週間をかけて再現答案を作成した。再現答案を作成後、特許庁の公表論点と、LECの解答速報会の動画と、論点リサーチの結果をみて、自分で答え合わせをした。

なんといっても、論文試験の再現答案は絶対に作成すべきものだ。

論文試験で不合格だった場合、自分の足りなかった点の解析に非常に有意義だ。これは、昨年、西原先生の「弁理士超効率合格法 」で学び、なにはともあれと実行したら、今年の勉強にとても役立ったので実感をもって感じる。

また、他の受験生のみなさんの勉強の指針にもなるはず。この答案で合格できたら「この程度で合格できるのだ」と判るし、不合格なら「これだと不合格なのだ」とわかるでしょう。


≪答案作成の心がまえ≫

再現答案に行く前に、今回の本試験の特に心掛けたことを記しておこう。

  1. 「問い」に答える。
  2. 原則→例外 (基本→応用)
  3. 措置、理由(メリット)、あてはめ、留意点
  4. テンプレートと主客時手
  5. 基本拒理は全て検討の跡を
  6. 問題文の言葉 すべて使う

簡単なことばかりだ。しかし直前の復習をやっていて試験本番で大事だと感じたことのエッセンス。
試験前は細かい内容よりも、こればかりを念仏のうように頭の中で繰り返していた。



☆では、再現答案です。(赤字は、自分での答え合わせ)

〔クリックで拡大!〕

【特許・実用新案】 【問題Ⅰ】

111

112

1.で、時間をくってしまったのが特実での大失敗。「誤訳訂正書による補正」はすぐにわかったが、その根拠条文が見つからない・・・。17条の2第2項は「外書」であって、「外特」ではないから、繋ぐ条文がどこかにあるはずだと懸命に探して時間をロスった。184条の12第2項なんだな。184シリーズは過去問でもよく問われているので、要注意すべきだったのに、この条文はノーマークだった。
時間を浪費したのに的確に応えられず、趣旨を適当にごまかして書いた感が残った。。
再現答案にて赤字の「?」を書いた所は、LECの解答にも言及がなく、どう採点されるか不明、という意味である。実際の採点でいいほうに転べば合格できる可能性もあると考えるが・・。

この問題で時間を使ったため、以降の問題は、超高速でこなし、不十分さあり。

2.では、趣旨を書くのを忘れた。

3.と、4.(1) は、そこそこか。

4.(2)では、「拘束力あり」ということにばかり目がいき、特許査定としてしまうミス。


【特許・実用新案】 【問題Ⅱ】

121


122

1.(1) では、なんとか落ち着いて、まず文言侵害なしを書き、次に均等の5要件を書く、という流れはいつもの練習通りでOK。しかし、第4要件と第5要件において、「A´」と書くべきところ、「c´」と書いた。これは、○がつくか?

1.(2) は、時間がないので、あてはめの文言を省略したがどう採点されるか。条文番号は拾えているので十分な得点として欲しいところ。

2.は、「キーワード凝縮暗記カード」で暗記していた論点。その暗記が活躍。ただしここも時間が足りず、はしょっているので、どの程度の得点をくれるかがわからず不安要素大。
特に2.(2)②では、いきなり「独占通」を書いたが、LECの解説では、「独占通」は「題意はずし」、とのこと。

3.までたどりついたときには、【問題Ⅰ】1.での時間浪費により、既に時間切れ寸前のリミット。間違った結論などを書いているうちに、試験時間終了。

特実全般では、昨年と比べ同等以上にはできたと感じている。昨年の結果はランク「B」だったので、今年も「B」以上であればよいのだが。



【意匠】

21


22

意匠は問題を見た瞬間、「うわっ」と思った。今までと違う。問題文が1ページだけで、1行,2行問題だけ。うまく書かないと差がつくぞ、題意に忠実に応えるようにしよう、と心掛けたが。

【問題Ⅰ】

1.は、制度趣旨だが、大はずしはしていない。キーワードを使いシンプルに書くことを心掛けたので、言葉足らずの面もあるが、どう採点されるか。

2.は、要件のうち、「適式な出願」という当たり前の要件を落とした。

3.の解答に必要なのは、13条の2第2項という条文だが、特実の問題1.の184条の12第2項と同様に、この条文がノーマークだった。なので書けず失敗。
「図面」なんて、国内書面や手数料に比べれば枝葉末節なことだな。なのに、本試験の場では、実案も意匠も「図面」が必須だが、国際実案は図面が必須でないので、大事なことだと思って、そこばかりに頭がいってしまって書いた。部分点付けてほしいなぁ。

【問題Ⅱ】

1.自分では完璧だ、と思ったが、LECの解答によると「先願権の確保」がキーワードのようだ。そこが抜けているがどうだろうか。

2..は、ほぼ完璧だ、といっていいもかな。いいとも~

意匠全般では、なんといっも事例問題がなかったので、採点でどう転ぶかだ。LECのリサーチでは、他の人もかなり書いてきているようだから、自分で出来たと思っても安心できない。



【商標】

31_2

32_5

商標は事例問題が2問で、標準的と感じた。時間配分に気をつけて普通に最後までいければよいな、と思って取り組んだ。

【問題Ⅰ】

1.は、「登録主義」から書き始めるべきところ、その点をすっとばした。それを除けばそこそこか。

2.及び 3.の拒絶理由はすべて正解!パリ優の効果がどう効くかすこし悩んだ。しかし、これまでの本試験の過去問をやった感触から、2.と3.のように、2題あるときは、それぞれ違う拒絶理由だ、という法則があるので、その線に沿って解答した。それが当たって、うれしい。
それぞれの対処の記載は、若干不十分な点もあるが、まずまずでは。

【問題Ⅱ】

過去問や答案練習、論文対策本等で、登録商標を少し変えてへんてこりんな形(他人の商標に似させた)で使用したときは、50条(不使用取消)と51条(不正使用取消)の合わせ技、というパターンは商標の典型的なパターンとして良くお目にかかっていた。なので、ここは、そのバリエーションということで、50条(不使用取消)と53条(使用権者の不正使用取消)の決め打ちでいったところ、正解であって、やった!

と喜んで○をつけてしまっていたが、いまこれを打ちながら見返して初めて気付いたが、要件のあてはめがかなり不正確でヤバい・・・。50条のところで、「社会通念上同一でない」としたが、「もなか」が「洋菓子」に包含されない、という点を書くべきだった。
また、53条では、「洋菓子」に類似する「もなか」について使用、を書くべきところを間違えている。
基本的なあてはめができてないなんて、しかも、今まで自分ではできたと思いこんでいたなんて、実力不足だなぁ。

商標全般では、大まかには大体できているが、細かい点でミスが多いようだ。特許・実案の失敗をリカバリーできるだけの得点ができるかどうか、不安あり。

≪今年の論文本試を受けて気付いたこと≫

  1. 「問いに答える」がポイント
  2. シンプルにストレートに返す
  3. 横断的(法域、国際)が狙われる

以上が、平成24年度(2012年)版の論文試験(必須科目)再現答案とその所感である。みなさんの参考になれば幸いだ。

これをご覧になって、ご意見、アドバイス等のある方、どしどしコメントをお願いしたい。

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5.成果10倍アウトプット」カテゴリの記事

コメント

去年とあわせて再現答案アップありがとうございます。他の方がどの程度書かれているか参考になります。

商標法は十分合格答案ですよね。

あとは、特実問題Ⅰの趣旨忘れ、問題Ⅱの3.、意の3.がどう評価されるかでしょうか。

直前受けられた模試のような点数ではないと思います。

投稿: るうな | 2012年7月30日 (月) 21時21分

るうな さん、

コメントありがとうございます。なにかと落ち着いておらず、お返事が遅くなってすみません。
参考にしていただいてなによりです。

るうなさんのコメントで、少し自信が出てきました。口述の勉強に向けて気合が入りそうです。

投稿: 桃次郎 | 2012年8月 7日 (火) 20時41分

たまたま答案を拝見しました。第一印象は、文字の隙間が広いなぁでした。その分、判例の文言や、意匠の要件等が、随分あっさりしている印象でした。
商標も、問2は、なぜ請求できるのか、に応えてないのが気になりました。要件を満たすので請求できる、等と一言あれば完璧だと思います。

投稿: | 2012年8月10日 (金) 19時39分

再現答案の公開有難うございます。
昨年CAAで不合格だった者です。
拝見しましたが、要件や判例の記載がすごく粗い印象がしました。特に均等論なんかは5要件を、メリアスは理由付けを正確に記載しないと、出来なかった設問を補う為の小点を稼げないと思います。
商標は合格点だ思います(細かいミスは、不合格答案になるほどのものではないと思います)。
LEC納冨講師のブログを見れば、今年の本試験、上級者でも結構ミスをしてる様でした。

投稿: | 2012年8月11日 (土) 12時39分

おふたかたからのコメントありがとうございます。


 「文字間隔が広く、記載があっさりしている」はその通りです。時間が足りなくなるので最後まで到達するために、私の実力ではこうなってしまいました。もっと短時間で答案構成できる技量と答案筆記の筆力が必要ですね。
商標の点、自分では気付きませんでした。ありがとうございます。


昨年の時点でCAAと既に合格に近かった方からのコメント、参考になります。要件や判例の記載は、やはり粗いですよね。どうしても間違ってしまう問もあるので、そこを知っている判例の要件等で小点を稼いで挽回することは大事なことと思います。それができず苦しいかな。
商標はみなさんも結構ミスをしているとのことで、合格点とのご意見に一安心です。

投稿: 桃次郎 | 2012年8月12日 (日) 08時35分

桃次郎さん
以下が納冨講師の講評です。
「 皆さんの再現を見たり、他の予備校も含めて 他の講師の方と話したこと、また、前に書い た座談会での話を踏まえると以下のような感 じです

【特実】 ・時間が足りていない(=説明不十分とか、 結論しか書けていない答案が多い) ・問題文の読み間違いがとても多い(主体を 間違えて答えている) ・補正のところのミスが結構ある(誤訳訂正 書なのに17-2③で書いている) ・均等の5要件やリガンド分子の理由付の十 分、不十分に差がある ・メリヤスや行訴33①の問題は、みんな あっさりであまり差がついていない ・LECは製パン機を答練で出してきたの で、LEC内での出来は良いが、他の予備校 受験生はそうでもない様子

【意匠】 ・自己評価と客観評価に差がありそう ・意13条の2を探し当てられなかった受験 生の方散見

【商標】 ・4①16と、8②のどちらかを落としている 受験生の方が多い

上級者でも、問題文の読み間違い等のケアレ スミスをしていたり、時間不足があったりし て、自信をなくしている方もいるのですが、 去年も設問1つ丸々答えずに合格している人 たちもたくさんいるので、ふたを開けてみな ければわかりません

完全な加点方式で、いわゆる「地雷」がない ような気がします

一つ二つ大きなミスをしてしまっても、他が 」

投稿: | 2012年8月12日 (日) 09時59分

納冨先生の講評 を紹介くださり、ありがとうございます。先生のブログも見にいきました。私は納冨先生には絶大な信頼を寄せていますので、この内容は先生が言ってるのだから、とても正確な講評だと思います。
これを読んでみると、けっこうみなさんできてないので、やはりポイントは「一つ二つ大きなミスをしてしまっても、他が丁寧に説明出来ていて、2点、3点をたくさん積み上げていけば、結果として合格ラインを超えるのではないでしょうか」という点なんでしょうね。私の答案ではその点がいまいちですが、なんとかひっかかればいいのですが・・
いろいろと参考になります。どうもありがとうございます。

投稿: 桃次郎 | 2012年8月14日 (火) 21時43分

昨年の合格者です。わたしは、別ページに記載されていた小問に気づかず丸まる白紙でした。商標では、判例(コカコーラ事件)の存在さえ知らず、審査基準を類推して作文をしました。
よって小問1問程度のミスでは合否に影響はなく、また、趣旨が外れていなければ作文しても合格すると感じました。

投稿: tahkun | 2012年8月18日 (土) 09時21分

tahkun さん、

昨年の実績を教えていただき、ありがとうございます。
小問ひとつ丸まる白紙があったり、判例を知らなくても、その他ができていれば合格できるんですね。自分が感じている論文試験のレベルが大体あっていることがわかりました。ありがとうございます。

投稿: 桃次郎 | 2012年8月19日 (日) 21時17分

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